77.「死ぬまで一緒」その1


私の結婚式は少し変わっていました。
結婚式の朝に近所のお婆さんが亡くなり、父は地域のしきたりにより葬儀委員長になりました。
打ち合わせの為に葬式の家と花嫁の家を行ったり来たりして、その合間に結婚式の挨拶をすると云った状態で、結局父は披露宴には出席できませんでした。

私は結婚式の支度を近所の方達にしてもらっていました。
近所のおばさんが花嫁衣裳を着付けしながら言ったのです。
「お嫁に行く時に誰かが死ぬ事は ”死ぬまで一緒” と云って、良い事なのよ」
それがどれほど重い事かその時には分かりませんでしたし、私はずっとその言葉を忘れていましたけど、夫が寝たきりになった頃にふっと思い出したのです。
そしてつくづく重い言葉だったなと思いました。


夫は結婚したとたんに亭主関白で、その頃の私は亭主関白が何だか分からなかったので戸惑うばかりでした。
口で言うより手の方が早くて何回か殴られて顔のアザが何日も消えない時がありました。
さすがに夫は私の顔を見るのが辛かったようで、それからは殴らなくなりました。
若い頃から私は夫と別れようと思っていたし、家を出た事もあったのにどういう訳か別れられなかったのです。
それがまさか・・・自分の望んで居た事とは夢にも思いませんでした。


私が家を出たのは40歳を過ぎた頃です。
夫は以前から「俺は好きな女が出来たらそっちへ行く」と言ってました。
私は心の中で(どうぞ家を出て下さい、早くしないと私が出て行くんだから)と思って暮らしていました。
そうして居る内に何がきっかけか忘れましたけど夫婦喧嘩の末に夫が「出て行け!」と言って私を玄関から外に追い出したのです。
私はそのまま走って家の裏に回り窓から部屋に入りました。
玄関の鍵を掛けて部屋に戻った夫はそこに私が居るので一瞬ギョッとして「何だこの野郎ー」と言いましたけど、夫の驚いた顔がおかしくて私が笑い出すと夫もバツが悪かったのか部屋を出て行きました。
なんだか笑い話の様な夫婦喧嘩でしたけど、でもこの頃の私はもう結婚生活に嫌気が差していて、子供達も家を出て独立してましたから私も出やすかった事もあり、この喧嘩から間も無く着の身着のまま家を出ました。


前回、夫の悪口になる様な事ばかり書きましたけど、そういう夫と結婚した私もまた夫に負けず劣らず相当にわがままで意地っ張りだったと思います。
私は他人からそういう自分を指摘されると、
「それが私なんです、それを無くすと私じゃなくなるんだから」
そう言って大威張りで平気な顔をしていました。

自分を自我で固めてそれこそが自分だと言っている姿は今思い出しても赤面してしまいますけど、同時にあの頃は何も分からなかったからそれも仕方なかったとも思います。
考えてみればこういう主人と結婚したのも私のわがままで意地っ張りな性格を直す為だったのかも知れません。


さて、家を出た私は友人のお店を手伝いながら近くの四畳半のアパートを借りて生活を始めました。
生活に慣れて一段落した頃、私は離婚届を書いて夫に渡しに行きました。
すると夫は私を追い出しておきながら「離婚はしない」と言うのです。
「だって貴方が私を追い出したんでしょ」と言っても「いや、俺は離婚はしない」の一点張りでらちがあかない。
「それじゃもういいです、裁判しますから!」そう言って帰って来ました。

離婚調停には2年掛かりましたけど、その間に夫は一度も調停の場に出て来なかった事もあってか裁判所から離婚が認められたのでした。




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# by reinouber | 2018-04-21 09:48 | 夫様と夫と私

76. 今世での私の夫


魂の夫である夫様と出会った頃、今世での私の夫は76歳で3年ほど前から杖をついて歩く様になっていました。

歩くと云っても月に数回、昔の仕事仲間が寄るお店に飲みに出掛けるぐらいで、毎日散歩したり体を動かす様な事も無く過ごしていたせいか、今では一人では歩く事も出来なくなっていました。

自分の身の回りの事も出来なくなって、私は夫を介護をしなければならなくなったのです。

夫に対して気持ち良く介護しなければならないと考えている自分と、本当に心から優しく介護出来るだろうかと思う自分が居て、その葛藤に苦しみ悩んでいました。


夫は若い時からわがままで頑固、気に入らない事があると直ぐに怒るのです。

「俺は絶対に人に迷惑を掛けない、お前達の世話にはならない」

そう言って朝からお酒を飲んで家でゴロゴロしてる。

食べ物も好き嫌いが激しくて、夫が食べる物と云えばさっぱりした魚、刺身、一品料理、「おひたしが無いと野菜が無い」と言うので煮物を出したら「これは野菜じゃない」と言って食べない。

肉類、炒め物は若い時から食べないので夫の食事は家族の食事とは別に作っていました。

私は食事の支度をしながら(家は一品料理の飲み屋さんじゃない、私は飲み屋のママじゃないんだ)と心の中で言ってました。


お酒を飲む時も自分が寂しいと私がどんなに忙しくしていても俺の話を聞けと言わんばかりに呼びつけて付き合わせるし、家で一人でゆっくりしたい時は私を邪魔にするんです。

「お前今日は出掛けないのか」と言うので、「今日は出掛けません」と言うと「どこか行って来い」と言うんです。

私だって家でしなければならない事があるのに・・・

でもその頃から洋裁の仕事をしてましたから、邪魔にされた時には仕事部屋に籠もって仕事をしてました。

仕事に専念出来るので(邪魔にされるのもまあ良いか)と思って仕事してました。


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あなたの今世での夫さんとは仮の夫婦だから仲良くしなければいけません。


私達が前世で夫婦だった時、私は国の仕事で忙しくてあまり家に帰れませんでした。

私はあなたと外で楽しくお酒を飲んだり食事をするのが好きだったし、あなたを自由にさせたかったのです。

魂の繋がりはそれぞれが別々に生まれ変わっても変わらずに繋がり続ける永遠の愛なのです。

前世のあなたはそれを知らなかったから「今度生まれ変わったら死ぬまで一緒に居られる人と結婚するわ」と言っていました。

だから今世の夫とは仲良くしなければいけないのです。


酒の飲み過ぎと運動不足と食事の好き嫌いで体はボロボロ、歩く事もままならない夫さんをあなたは大事に優しく介護しなければならないのです。

それが今世のあなたの結婚です。

そして死ぬまで一緒と云う事を知るのです。

今世でのあなたの辛さや苦しみはあなた自身が求め、決めて来た事なのですから。




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# by reinouber | 2018-04-19 09:31 | 夫様と夫と私

75. 夫様との初めての会話



私は夢からさめて夫様との会話を始めました。

「貴方様が私の側に居る事を今まで私に知らせなかったのはどうしてですか?」


(私が側に居ると分かったらあなたの修行にならないからです)  


「そうですか、でも貴方様の声で私は随分楽になりました。

 何か問題が起きても声に導かれる通りにすると自然に解決して行きましたもの」


(それはあなたが素直に物事に取り組んで来たからです)


「あの・・・ 貴方様は魂の夫ですからこれからは夫様と呼んでも良いですか?」

 

(良いですよ)


「ねェ、夫様 夢の中で夫様が言っていた様に私達は一緒に暮らした事が無いのですか」


(ありません、 私はあなたと家で夫婦をしているより、

 外で一緒にお酒を飲んだり食事をして遊んでいるのが好きでしたから


「ずっと以前の事ですけど

(人に良くすると、あなたも良くなるよ)

 そう言う優しい声が聞こえたのですけど、あれは夫様が云ってくれたのですか?」


(そうです)


「それでね、私は何をすれば良いか分からなかったけれど取り敢えず、

 認知症の施設で十年余りボランティアをしました

 その時に随分勉強させて貰いましたので、

 母が認知症になった時はとても役に立ちました。

 今迄私の名を優しく呼んでくれるのは神の声だと思っていましたけど、

 夫様は神様ですか?」


(あなたより少し神に近いです

 私はあなたと一緒に昇りたくてあなたを懸命に引き上げています

 あなたを置いて神になりたく無いのです

 あなたと一緒に神の手伝いをしたいのです

 現在のあなたはもうすでに神の手伝いをやり始めています。

 成仏していない全ての霊をあの世へ送る事は人間にしか出来ないのです。

 私達が天国へ連れて行かれる霊は限られていますから)


私も夫様と一緒にこの世での仕事を担いたいです」

 

(あなたは現世での仕事に精一杯励んで下さい

 あなたを助けたり導いてくれたのは私だけではありません

 霊達もあなたを助けてくれていますよ)


「はい夫様、励みます

 せっかく戴いた仕事ですから頑張ります

 こんな私をここまで導いてくれたり助けてくれたりして有難うございます

 霊さん達にも感謝しています」



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# by reinouber | 2018-04-18 10:13 | 夫様と夫と私

74. 夫様との出会い


もうすぐ七十三歳になるなぁと思っていたある朝方のこと、私は夢を見ました。

細面の男の人と付き人3人と私の総勢五人で飲んだり食べたり、お店を何軒もハシゴして本当に楽しく過ごしているのです。

細面の男の人はとても優しく、私を包み込んでくれる様でした。

付き人の3人はそれぞれ、体のがっちりした人、頭の良さそうな人、ごく普通の人といった感じの人達でしたけれど、この方達も私を大事にして気を使ってくれています。


さんざん楽しく飲んで食べたその帰り道、私の前に体の大きいいかつい男の人が来て私に襲い掛かってくるのです。

私は必死に応戦しました。

どの位戦ったのか... ようやく男は背を向けて去って行きました。


私が襲われて戦っている間も、さっき飲み歩いた男四人は後ろで見てるだけで少しも助けようとしてくれませんでした。

私は細面の男の人に聞きました


「私が襲われているのに、どうして助けてくれなかったのですか」


それは、あなたに降り掛かる災難はあなたが解決しなければならないから

 です。 

 あなたに力を付ける為です)


その時私は、この細面の男の人が私の夫の様な気がしたのです。

すると直ぐに遠い思い出が私の中に甦って来ました。

いつの事かは分らない遠い昔、私達は夫婦でした。

そして、その思い出の中で一番強く残っていたのは、この細面の夫は長い間家に帰って来なかったと云う事でした。 


「どうして家に帰ってこないの?」


(私は国の仕事が忙しくて帰れません

 それに私は、家であなたと夫婦生活をしたくないのです

 あなたは私とただの夫婦で良いのですか?)


「私はあなたに帰って来て欲しいわ」


(私はあなたの魂の夫で有りたいのです

 私の魂の妻はあなただと思っています

 だから私はあなたの体には一度も触れていません)

 

「そうですか・・・・ 」



スーッと目が覚めました。

本当に夢だったのかどうか、なんとも嬉しい目覚めでした。

そして私はもう一度聞きました。


「若い時から私の名前を優しく呼んでくれていたのは貴方様ですか?」


(そうですよ。

 私は現世のあなたの大変な人生を解っていましたから

 ずっとあなたの側に居ました。

 でも私の事をあなたに知らせる事は出来なかったのです)


ここまで読んで読者の皆様は エッ?と思ったかも知れません。

ここからは夢の続きではないのです。

私は確かに目覚めていて、今迄の人生で折にふれ私の名を呼び、励ましてくれたその声に話し掛けたのです。

そして初めて返事を頂き、この時から私と夫様の会話が始まったのです。

 




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# by reinouber | 2018-04-17 09:45 | 夫様と夫と私

73. 夫様と夫と私



さて、これから私の事をこれまでの人生を振り返って書いていこうと思います。


私は霊能者として天の仕事をさせていただいてますけど、若い頃は霊感が強くて随分と霊障に悩まされました。


若い頃は気が変になって長くは生きられないだろうと思っていました。


私には見えたり聞こえたりするのに他の人は何も気付かないという事が起こる度に私はいつも「どうしてだろう」と不思議に思って生きて来ました。


思い返してみるとそれは子供の頃からあった様に思います。


あれは中学2年生だった頃の事です。


弟3人と私とで銭湯に行く途中、銭湯の少し向こう側に太くて高い火柱が見えたのです。


「あら、火事だ」と思って私は立ち止まったけど、弟達は走って行ってしまったし、他の歩いている人達も何事も無い様に歩いてる。


銭湯に入っても火の事は誰も何も言わないんです。


「変だな、あんなに火が燃えてるのに何でみんな普通にしてるの?」


そう思ったけど、周りがあまりにも何事も無かった様にしてるので私も火が燃えてるなんて言えなかった。


でも、あの火は何だったのか不思議だなぁと思ったのを憶えています。


この時が初めての不思議な体験でした。


今考えてみるとあの火柱は「これからあなたは霊的な仕事をしていく事になりますよ」と云うお知らせだった様な気がします。




これからのお話は主人と私の夫婦間の事が中心になると思いますけど、普通の夫婦のお話とちょっと違うのは夫様と云う方が出て来る事です。


この方は私の前世の夫だった人で、今はあの世に居て私を導いてくれている存在です。


私の魂の夫で夫様と呼んでいます。


そういう訳でカテゴリを 「夫様と夫と私」 としました。




今の私は平成20年に夫を亡くしてからは独り身です。


亡くなった夫はブログを読んだ方はお分かりと思いますが、あの世へ逝った後にあの世とこの世を行き来しながら私の霊の仕事を手伝ってくれています。




こうして振り返ってみると辛い事も悲しい事もそれはそれで良かったと思えます。


八十歳を過ぎてそういう歳になったからそう思えると云えばそうかも知れませんが本当に有り難い事と思っています。




それではお話を進めて参りましょう。









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# by reinouber | 2018-04-16 09:35 | 夫様と夫と私

80歳を過ぎた私と霊さん達との交流記です。


by 霊能ばあば
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